聖書の翻訳について、考えてみましょう。旧約聖書はMasoretsの非常に緻密な手法により、ほぼオリジナルが保たれており、基本的にどの翻訳でも同じですが、新約聖書は主として2種類の写本があり、翻訳も変わってきています。一つはアレクサンドリア型写本、もう一つはビザンチン型写本です。アレクサンドリア写本はかなり古いとされていますが、その中にはバチカン写本、シナイ写本も含まれます。一方ビザンチン型はその代表がTextus Receptus(TR)と呼ばれ、非常に広く出回っているので、Majority Textと呼ばれています。
英語の聖書で言うと、アレクサンドリア写本の系統がNIV, NASBになります。またビザンチンの系統はKJV, NKJVになり、英語圏では非常に広く読まれています。
日本語では、アレクサンドリア写本の系統が、新改訳、新共同訳、口語訳、さらにはモルモン教の新世界訳もバチカン写本、シナイ写本を使っています。TRの系統は、TR聖書のみしかありません。日本では圧倒的にアレクサンドリア写本の影響下にあると言って良いでしょう。もしかすると、これが、日本でキリスト教が強くなれない一つの理由ではないでしょうか。
翻訳の特徴は、1)アレクサンドリア写本は全体的に省略が多くなっているます。TRにしかない箇所を、後世の人が付け加えたのではないかという説もありますが、意識的、無意識的に削除されたと考える方が適切ではないかと思います。2)イエスキリストの神性があいまいにされています。
この点について、ヨハネ6:69の例を見てみましょう。まず英語版だと次のようになっています。
NASB: And we have already believed and have come to know that You are the Holy One of God.”
NKJB: Also we have come to believe and know that You are the Christ, the Son of the living God.”
日本語版はどうでしょう。
・「新改訳2017」私たちは、あなたが神の聖者であると信じ、また知っています。」”
・「口語訳」私たちはあなたが神の聖者であることを信じ、また知っています。
・「新共同訳」あなたこそ神の聖者であると、私たちは信じ、また知っています。
・「TR聖書」あなたこそ生ける神の御子キリストであると信じ、知っています。
今広く出回っているNIV, NASB,新改訳、新共同訳、口語訳では、キリストの神性が、ぼかされているのではないでしょうか。
多くの教会や神学校では、NASBが最も原典に忠実な訳であると教えていますが、必ずしもそうではないようです。
これについては諸説あると思いますが、私は今後「NKJB」をより重視して使っていきたいと思います。日本語の「TR聖書」は簡単に手に入らないようですが、手に入れてみたいと思っています。